Blur : Think Tank
ARTIST / Blur
TITLE / Think Tank
LABEL / parlophone
DATE / 2003
TITLE / Think Tank
LABEL / parlophone
DATE / 2003
1796。なんだかんだで僕たちはBlurが好きだ。僕自身、OasisかBlurかという選択を迫られたとき、なんとなくOasisを選択しかけた時期もあったけれど、彼らはブリットポップを終わらせたという大罪を背負っているわけだし、僕はそんな事態には最初から関わっていないという顔をしたかった。しかし僕は今でもBlurを信じている。2011年現在でもBlurの新譜を待っている。彼らなら何かを与えてくれる、そんな革新を抱いたのが本作である。大学生に入ったばかりの僕が、下北のレコファンで買った本作には、新しさがあったし、次の話が詰まっていた。どこまでもBlurなままで。それが素晴らしいと思った。それまでに、Damon Albarnというイケメンは、Gorillazという別プロジェクトを成功させたながらも、マリ音楽に傾倒し、それまでのイギリス帝国的な変革(ここで僕は少なからずニューウェーブなるものを想起している)を再度巻き起こそうとする気概にも満ちていた。それがバンド本体にも還元されれば、Blurは新しいステージに立つことになるわけだ。しかし、ここには古くからのファンにとっては致命的なことにGraham Coxonがいない。残念ながら、といおうか。現在に至るまで、Blur再始動のニュースは何度か流れているし、実際2009年にはGrahamを含めて活動を再開するという最高の知らせがあった。ライブもしたし、その音源はしっかりパッケージ化された。あとは、新譜を待つだけだ。僕は、本作をかなり聴いた。それまでのBlurっぽいキャッチーではじけた曲もあるし、とても感傷的な曲もある。繰り返したのは、隠しトラックを除いたラストM13"Battery In Your Leg"である。特に意識もせずに、その悲痛なDamonの声は、僕を感傷した。ちなみにGrahamが本作(の作曲で?)唯一クレジットされているのは、この曲である。バンドの内情を度外視しても、」ドラマチックで泣ける1曲だった。2010年、フルメンバで制作された再結成お披露目新曲'Foo's Day'を聴くと、小品ながら素晴らしい気持ちになる。あとはフル盤を待つだけだと、そんな希望がある。その準備はできている。それを準備するために聴いておかなければならない盤が本作だと思う。ちなみに、数年前から日本でも注目されているBanksyが商業的な仕事としてジャケを手がけている。Banksyが持つストリート精神というか、反資本主義的な、あるいはアンチメインストリーム的な活動から分かるように、現在はそのような仕事をほぼ断っているという話。本作をBanksyが請け負ったことを後悔してるかしていないかは知らないけれど、さすがBlurだぜ。