Brian Wilson : Imagination
ARTIST / Brian Wilson
TITLE / Imagination
LABEL / giant records
DATE / 1998
TITLE / Imagination
LABEL / giant records
DATE / 1998
2073。過去盤レビュー。以前紹介した関連盤"Orange Crate Art "。一度狂気に陥った人間が辿る道とは。リハビリの果てに見れる世界とは。本作は、ポップスの頂点、本来的な意味での頂点に、世界で唯一手を変えた人物Brian Wilsonによるそこそこ有名で、そこそこ悪くない盤である。2ndか。ただし、そこはかとなくダサいサウンドメイキングで、ちょっと聴いてられなくなるかもしれない。よく言われるように、M1はグッドである。単純にらしいし。全編を通して、どこまでもらしいコーラスワークですが、どこまでも時代に合わせようとするあまりに、時代をとらえ切れていないという。ローファイではなくハイファイ。その音響空間は、楽曲の朗らかさをさらに強固にし、「駄目な僕」とか言われても、お前反省してないやん、っていう信頼のなさを誇張している。信用できない、というのは、全ての関係をぶち壊しにする。僕はBrian Wilsonに感謝しているし、彼の作ったグッド・ミュージックや、それに伴う逸話、ポップス音楽史上の位置などは、現在の音楽を消費する方向性を決定的なものにしたと思ってる。でも、この盤を手放しで、喜べるほど、僕は公平さを失ったつもりもないし、何より僕が泥のように床に敷き詰めてきた盤たちがそれを許してくれないと思うのだ。ほとんどの曲が、共同プロデをし、アレンジも担当したJoe Thomasというかたによるもの。つまりこれは、ボーカリストBrian Wilsonの1枚ではあるが、作家Brian Wilsonの1枚ではないということだ。切なさが雑巾のように、涙を搾り取る。そんな時期だ。"Smile"をいまだに所有してない俺がいうのもなんだが。