John Lennon / Plastic Ono Band : S/T
ARTIST / John Lennon / Plastic Ono Band
TITLE / S/T
LABEL / apple records
DATE / 1970
TITLE / S/T
LABEL / apple records
DATE / 1970
2060。いわゆる名盤。名ジャケ。というかいわば、世界一のミュージシャン。ドラムにRingo Starrを引きずりこんで、作り上げられた長髪丸眼鏡の達成、なのか惰性、なのか、あるいは愛する女との何かなのか。プロデはPhil Spector。引きずりまくっている。何かを。70年。その画期的すぎる前代未聞の時代において、叫ばれる重すぎる愛とか平和とかその他もろもろ。病気のような、若すぎる感情の嵐。邦題は『ジョンの魂』。素晴らしいタイトルだと思う。絶賛同時発売された"Yoko Ono/Plastic Ono Band"なるものもあるけど、そんなもん誰が興味あるのかと。あるのかな。あるんだろうなぁ。我わがOno Yokoは、当時もっとも重要だった作家の魂を揺さぶったぐらいだから。神か。女神か。知らんけど。メロウにブシを炸裂しまくるそれぞれのトラックは、荒々しくも魂が刻まれている。そんな幻想に陥る。全部名曲で、ところどころ、もううざったいぐらいに理想やらなんやら批判が響いている。勝手な思い込みだろうか。M1の'Mother'から、M5の'Isolation'から、M7の'Love'から、M10の'God'から、もうなんか一般名詞というか、概念というかそんなもんが渦巻いている。どこまでもJohnで、どこまでもLennonである。Yoko成分がどの辺にあるのか、まったくわからん。痛い男である。空気が読めないというか。愛ゆえに、という理由では解決されない。多少なりとも羞恥心があれば、こんなポジションを取るわけがない。その厚顔無恥な精神性があったからこそ、彼はアイドルにもなれたし、今でも語り継がれているアピールがあるのだ。ぎりぎりなんだと思う。紙一重とかのレベルではない。もう本当にぎっりぎりで、その危うさが天文学的な確率で好転しているという感じ。M6の'Remenber'の解決の仕方とか。なんなのと思う。愛とはなんなのか。なぜそこまでYokoなのか。僕たちにはまったく分からない。しかし。愛が、それを可能にして、愛が本作を作らしめたのは間違いない。それは彼ら2人を結びつけた逸話にも合われてる。Yesという肯定は、愛とイコールである。全てを肯定すること。それが愛なんだと。僕は知らなかったわけではない。ただ、やっぱり、どうしてもThe Beatles否定し、夢は終わったというJohn Lennonは嫌いだ。その達観が愛ゆえに達成したとは思わない。愛は常にセイウチのそばにある。セイウチが使えないのは、現金とどうしようもない現実である。それはさておき、傑作認定を5回しても足りないような、すごすぎる魂の塊であることは否定できない。ちなみに僕はPaul McCartney派であることは譲らなくて、ソロの初期作に手を出していないのは、楽しみを最後までとっているからであることを付記しておく。