The Millennium : Again
ARTIST / The Millennium
TITLE / Again
LABEL / poptones
DATE / 2000
TITLE / Again
LABEL / poptones
DATE / 2000
[11-71]。過去盤レビュー。poptonesによるCurt Boettcher周辺の洗い直し作業。そのなかでも、もっとも重要なThe Millenniumの音源集。"Begin"という奇跡としか形容しようがない1枚だけ残してポップスの歴史に名前を刻んだだけに、当時のアウトテイクやデモ音源であっても、その創作の過程が見て取れるという喜びがあるように思う。もちろん本録には適わないのだが、やはり'Prelude'から始まるわけだけど、収録されてない曲なんかもある。M3、M7からM13は入ってないと思う。いわゆる「ソフト・ロック」なる暖かな曲のよさが目立ち、当時として魔術のような遊びは本作ではまだ施されていない。その意味では、多くの周辺バンドと下目で比肩しているかもしれない。The Millenniumのよさっていったら、やっぱり凝りに凝った魔術的な音の構成であり、その前では曲のよさがかすんでしまうと個人的には思う。だって、この盤聴いていても、刺激が足りないもんね。もちろん、曲のよさがベースにあるからその他の装飾が抜群に聴いてくるってのも事実ですが。ラストにはCurt Boettcherのソロコンピ"Misty Mirage"にも収録されていた'Wearing Levis'のThe Millenniumヴァージョンも収録されていて、やっぱりどこか、音源発掘的な要素の強い1枚ですね。"Begin"聴いてないとかいう人は、本当にポップスの芳醇さを取りこぼしているけど、本作を聴いてないからといって大勢に影響はありませんのでご安心を。