The Olivia Tremor Control : Black Foliage: Animation Music Volume 1
ARTIST / The Olivia Tremor Control
TITLE / Black Foliage: Animation Music Volume 1
LABEL / flydaddy
DATE / 1999
TITLE / Black Foliage: Animation Music Volume 1
LABEL / flydaddy
DATE / 1999
1808。エレファント6界隈とかキンダーコア界隈とかそんなものにキャッキャ言ってた若き日の僕たち。The Apples In Stereoのキャッチーさにもろもろにされるなか、ローファイに対して真摯に向き合う日々が続いた。その悪路に導いていったタワレコ丸ビル店のワンコーナーでしっかりとプッシュされていたのが本作。その印象的なジャケと、ローなサウンドと、コンセプト感に脆弱な僕の精神はやられざるを得なかった。とりあえずコーラスはパッパララパッパーでオーダーしていたわけであるし。The Beach Boysからそう習ったし。そんなこんなで買った本作も、短い曲がバラバラと詰め込まれていており、しかもトータルで聴くにはぐちゃぐちゃしすぎていたからそれほど聴きこまなかったという末路を辿ることになる。The Olivia Tremor Controは92年に結成、99年に変名を除いた3rdである本作を持って解散した。90年代の裏側にひっそりとたたずむカルト集団である。本作当時のメンバはWill Cullen Hart (ボーカル、ギター)、The Apples In StereoのBill Doss (ボーカル、ギター、テープ)、John Fernandes (ベース、ヴァイオリン、クラリネット)、Pete Erchick (キーボード)、Elf PowerのEric Harris (ドラム、テルミン等)。The Apples In Stereoの主軸Robert Schneiderfが録音を担当していたり。ちなみにEric Harrisの前任ドラマーJeff Mangum(本作でも数曲参加している)のバンドNeutral Milk Hotelが、どうも当時のシーンを象徴する最も重要な盤をリリースしている模様。同バンドの他のメンバも盛大に協力しているから、とてもシーン的な1枚ではあったようだ。本作の白眉は、もちろんM19の11分に及ぶコラージュ作品であろうが、当時の僕には憧れであると同時に繰り返し聴くには難があったわけだ。you tubeで周辺曲を聴いてみると、そのサイケでロウでメロウで、60年代の偉大なる音楽からの影響を見て取ると、意外と口元がにやついたりする。The Olivia Tremor Controlはシーンとともに解散したわけだが、どうも2005年に降霊祭としておなじみになったATPで再結成し、2009年より本格的に活動を再開している模様。しかし彼らがいた頃のリアリティーがすっかり変わってしまっている現在の状況。インディーロックはどこに向かっているのか。(何の気なしにレビューしたけど、本年11月に1stとともに本作が限定リイシューされる模様。アメリカツアーを行うのにあわせてらしい)