Roy Wood : Exotic Mixture - Best Of Singles A's & B's
ARTIST /Roy Wood
TITLE / Exotic Mixture - Best Of Singles A's & B's
LABEL / repertoire records
DATE / 1999
TITLE / Exotic Mixture - Best Of Singles A's & B's
LABEL / repertoire records
DATE / 1999
1764。天才とか奇人とか、そんな言葉が並ぶレビューに目を奪われていたあの頃。まだロッキンオンを買っていて、その末尾で本作のレビューを読んだ。確か坂本麻里子が、僕ごのみの外国インディー作ばかりをレビューしていて、本作もその中の1枚だった。そこに天才奇人などという言葉があったかは覚えていない。しかしRoy Woodは紛れもなく、天才であり、奇人であった。寡作ではあるが、その見てくれやスタンスは、イギリス版のZappa先生ともいえるかもしれない。The Move、The Wizardといったバンドで活躍し、Electric Light Orchestraの元メンバーとしても、そこそこの知名度はあるけれども、どこまでも地味なままで終わってしまったような気がする。そこそこコアな音楽ファンでなければ、なかなかたどり着けない孤島で奮起し続けている彼が残した珠玉の自家発電曲集。水をサンプリングした'Wake Up'やストリングスをベースに極上メロを提示する'Dear Elaine'といった名曲は、今でも心を撃つ。Zappa先生ほど世間と対決することなく、どこまでもポップスを作り続けた紳士でもあった。ほぼすべての楽器をこなし、プロダクトワークを自分自身を含めてほぼすべてプロデュースした奇人には余りある才能があった。当時の僕はどうしても、1stの"Boulders"が欲しくて探し回ったが手に入らなかった(どうも2007年にリイシューされていた模様!)。Beatlesからの展開を捜し求めてインディーやらに沈鬱していた僕の心を再び活性化させたイギリスの流れは、今でも心を温めてくれる。1stを買おう。