Steely Dan : Everything Must Go
ARTIST / Steely Dan
TITLE / Everything Must Go
LABEL / reprise records
DATE / 2003
TITLE / Everything Must Go
LABEL / reprise records
DATE / 2003
2113。過去盤レビュー。以前紹介した盤"Two Against Nature "。軽やかである。凝りに凝ったという表現よりも、愚直に、適度に息を吐いて、肩の力を抜いてすっと作った感じ。気軽に棚から出してきて、プレイヤーが簡単に呼応する感じ。Steely Danの2013年現在での最新作はそんな穏やかな1枚である。それでも10年が経ったか、経とうとしてる。時間が無化されている。いつか新譜は出るだろう、それでも20年はかかるんだろうなぁ、という気長なファンの甘やかしにより、彼らはやりたいように自分たちのそのままを提出する。ファンもそれで満足する。まずタイトルが良いね。音はかなりそぎ落とされているけど、演奏への妥協は感じない。余裕を感じさせながらも、細かい筋肉が弾く付いている感じ。シンクロナイズド・スイミングを見ているかのよう。有名なジャズ・プレイヤー、スタジオ・ミュージシャンをがっちり配置しているのはいつものことみたい。結構水面下の動きをどこまで嗅ぎ取れるかで、Steely Danの享楽は変わってくる。大人のポップスは、本来は、だらっと聴くものなのだろうけど、そうさせてくれそうでさせてくれないんだ。ドラムのKeith Carlockってかたがどうも00年代以降のお気に入りのようで、"Two Against Nature"でもFagenソロの"Morph The Cat"でも起用している。でも"Sunken Condos "ではあっさりとお払い箱。なんだそのこだわり。往年のファンのかたがたは、ちょっと違うなと思うかもしれないけど、M7とか聴くとブシを堪能できるだろうし、新しいファンの人は、「ちょっとださいなあ」とか軽薄さ丸出しの感想を抱くのではなくて、正座して聞き込むことによって、自分の未熟さを知ることをすすめる。音楽とはここまで堅苦しさを偽装して到達できる境地があるのである。さて、後何年たったら新譜がでるかな。まったく期待せずに、僕は年齢を重ねる。