Meat Puppets : Up On The Sun

ARTIST / Meat Puppets
TITLE / Up On The Sun
LABEL / sst records
DATE / 1985

1495。一番最近紹介した盤"Monsters"。メンバーは、Curt、Cris、Derrickという変わらぬ布陣。裏方はsstおなじみのSpotが勤めています。傑作とされる2ndに続く3rdとして、本作はどのような意味を持つかといいますと、インディーの癖にめちゃくちゃ売れたということですね。3万枚も売れたそうですそりゃメジャに比べるとあれですけども。たまにボーカルレスにもなりますが、演奏に自信のある証拠でして、sstにも存在する複雑で技巧的なインストバンドとは異なり、独得の丹精さと安定感があります。ウエストらいんの美しさで見せるバンドと言えるでしょう。きゅっと締まった演奏がたまりません。2ndはかなりメロウだった気がしますけれども、本作ではどちらかというとストイックな印象を受けます。デビューして4年目でこんな状況になれますかね。カントリー/フォーク的穏やかさを持ちながらも土臭くもない。まさにいわゆるオルタナティブ・ロックの原型、手本、模型といえるのではないでしょうか。ちょっと前にDerrick不在で2度目の再結成を果たしたわけですが、これほど偉大なバンドであったにも関わらず、このぱっとしない感じが、逆にファンを魅了するのかもしれません。「あなたが一番好きなバンドは何ですか」と問われて「はい、ご存知Meat Puppetsです」というやつがいるとすれば、そいつの音楽人生はすでに完結しているといえるでしょう。