Jeff Mills : Waveform Transmission Vol. 3

ARTIST / Jeff Mills
TITLE / Waveform Transmission Vol. 3
LABEL / tresor
DATE / 1994 / 2010

1705。スリーブには次のように書かれている。"As barriers fall around the world, the need to understand others and the way they live, think and dream is a task that is nearly impossible without theory and explanation. And as we approach the next century with hope and prosperity, this need soon becomes a necessity rather than a recreational urge. Theories and subjects of substance is the elementary element that fuels the minds of our Axis"。本作はシリーズ最終作。ちなみにVol.2は盟友Mad Mikeが手がけていた。ソロ2作目ににして、全作よりも大幅に洗練したスタイルを確立し、もはや現在の彼に手を触れんとしている豪胆さに、まず呆れる。ハードミニマルなるものがあるとして、それが形容するものを唯一作り出しているとさえいえるかもしれない。ハードであり、かつミニマル。その音の切れ味と、反復するストイックさは音の充溢を見せる。いまや、ちょいとした時実験性と、映画音楽との合一によって、もはやその音楽性は変容していると見てもよいかもしれない。まさに概念的に。理論的に。URという社会批評性は、いわばアーティスティックな方向へと転換されているのかもしれない。そんなことはどうでもよい。少なくとも90年代にMillsが到達した鋭利さは、後世において、その当時の立脚点において強く評価されてしかるべきであろう。２０代後半には重過ぎるひりつきである。名作。