Harold Budd & Brian Eno : Ambient 2 - The Plateaux Of Mirror
ARTIST / Harold Budd & Brian Eno
TITLE / Ambient 2 - The Plateaux Of Mirror
LABEL / editions eg
DATE /1980
TITLE / Ambient 2 - The Plateaux Of Mirror
LABEL / editions eg
DATE /1980
1793。以前紹介した関連盤"Ambient 1 - Music For Airports"。邦題『鏡面界』。M1のピアノの響きから、ただの名盤を提示する透明感を持つ。演奏者はHarold Budd。Enoのレーベルobscureからのリリースでも分かるように、EnoとBuddとの蜜月関係は重要であり、その結果が明瞭な形で現れたのが本作だと思う。アンビエント・シリーズを継続するに当たり、本作のできは忘れてはいけないのでしょう。Enoの浮遊する環境感覚が、ピアノという強烈な旋律装置でもっても破綻しないという事態に、われわれは音楽を忘れる。というか、その環境感覚を破綻させないインプロを響かせる最高の理解者Buddの手腕に、われわれは目をつぶる。そんな観念的な夢想が運ばれるじゃないか。といいつつ、西洋音楽をがちがちに強固したピアノが継起的に顕在化することで、われわれはこれを音楽化し、贅沢な休日に楽しむことができる。理論と実践の衝突が、本作を奇跡的な揺らぎのなかに投げ込んでいる。厳粛。微かに霞がかった音像が、それがマスタリング作業において成功していたかどうかは別として、独特の効果を生んでおり、それが違和感としてではなく、透明度を強化する役目を担っている。素晴らしいという感想が霧散せざるを得ない1枚である。さて、個人的な問題として、僕は残りのアンビエントシリーズを持っていただろうか。あるようなないようなで困っている。本作を持っていないのは確かだったのだが。ふうむ。