Bitch Magnet : S/T
ARTIST /Bitch Magnet
TITLE / S/T
LABEL / temporary residence limited
DATE / 2011
TITLE / S/T
LABEL / temporary residence limited
DATE / 2011
2056。何個伝説あんねんといわれたらどうしようもないけど、一応本作も当時のコアなキッズたちの憧れのまとだったとか何とか。"American Don"が出る前に一時的にDon Caballeroに在籍したというJon Fine(ギター)、touch&go系のSeamとしても活動したSooyoung Park(ベース、ボーカル)、Orestes Morfin(ドラム)、という3ピースを基本とする知ってる人は知ってるバンド。元Don Caballero、Basttlesのian Williamsがどんなバンドよりも目標にしたという80年代後半から90年代初頭を駆け抜けました。本作は、彼らのとっておきを詰め込んだ3枚組み。贅沢。1988年に出たEP"Star Boooty"、1989年の"Umber"、そして1990年の"Bem Hur"。それぞれのボートラをぶち込んでいる仕様で、お勉強にはぴったりである。ちなみに"Bem Hur"はAlbini先生の仕事で、M2だけDavid Grubbsがギターを弾いてる謎の1枚となっている(これはクレジット標記のミスかどうかわからない。というのも、オリジナルのBen HurではM2のギターを弾いているのはBritt Walfordこと Shannon Doughtonでクレジットされているから)。どういう経緯かわからないけど。ちなみにこの曲は録音の場所も違い、David GrubbsのSquirrel Baitを手がけたHowie Ganoが録音しているので、その辺のつながりであることは容易に想像できる。そして、全体を通して、音は、ただの、それこそ、まったきそのままの感じの、かっこよいハガネ系。それぞれの楽器が乾ききった金属のように音を出している。かっけーよなぁ。この時代のこの手の音、しかもAlbiniの嗜好にそっとるわけだから。もう負ける気がしないだろう音を出してる。Bastro、Slint。この90年代を前後の数年のみに発生し、そして一瞬で消えていった若者たちのカロリーったらもう目頭が熱くなりますね。なんか全然知らんんでごめんなって。心から謝りたくなります。まだまだそんな時代の音をまとったバンドが入るんだろうなぁ。GrubbsとかAlbiniが絡んじゃったりしてさ。ちなみに本作がリリースされた経緯としては、Bitch Magnetが2011年にATP主催の"Nightmare Before Christmas"なるフェスで再結成されたから。ツアーもやって東京にも来てました。見てみたかった機もする一方で、20年近くたってこのカロリーが落ち着いてしまって嘆息するのもやだなぁと思ったり。歴史探訪をしたくてもCDが売れなくなってきた時代、手軽にダウンロードな手法でもって、無限に歴史を拡散させることで、音楽史が豊かに参照しやすくなることを望んでいたり、一方で、「お、リイシューされるのか」という驚きとときめきがなんだか大切なスパイスだなぁと思ったり。落書きみたいなシメコメで申し訳ないけど。temporary residenceってのは面白いレーベルであることは確かですけどね。さよなら。