Nomeansno : 0 + 2 = 1
ARTIST / Nomeansno
TITLE / 0 + 2 = 1
LABEL / alternative tentacles
DATE / 1991
TITLE / 0 + 2 = 1
LABEL / alternative tentacles
DATE / 1991
2055。カナダのハードコア、パンクバンド。どういう系譜にあるのか良く分からないけど、なんだかamazonで評価が高かったので、買ってみる。時代も好みの時代であるし。タイトルもジャケも悪くなかったし。一応、買うときはyou tubeでライブを確認した気がするけど、hmvで注文したら、Nomeansnoの別の盤"Wrong"が廃盤なのか入手困難らしく、届くのに半年以上かかった気がする。結局"Wrong"はまたの機会にということで、同時注文した本作を含むもろもろが先にとどいました。M1から音がクリアで、あれ、ちょっと期待したのと違うなぁと思いながら。ちょっと音が軽いような気がするなぁとかも思いながら。ボーカルも素朴だなぁとか思いながら。期待しすぎたかな、カナダにハードコアシーンなんてないのかなとか思いながら。70年代の終わりにRob(ベース)とJohn(ドラム、キーボード)というWright兄弟によってスタートしたギターレスのユニットでしたが、その後 Andy Kerrというかたがギターとして参加。おそらく5枚目となる本作に前後してAndyは脱退している模様。確かにドラムも比較的弾力的に刻まれているし、ベースをはじめとする弦楽器も強く低く押されている。「マス・ロックに先駆けて」といいたくなる気持ちも分かる。構成という意味では、そうかもしれない。ただそれはプログレがすでにやっていることでもあり、時代性という意味では、90年代のポストロな潮流には(による)、音響的意識の絶対的な浸しがあったと個人的には思う。本作には残念ながらそれがない。AlbiniやO'RourkeやMcEntireといったシカゴ人たちが施した魔法が本作に手を貸していれば、あるいはもう少しスタイルとして近しいMackayeのようなDCの血流が与えられていれば、本作はまったく違う90年代の時代性のなかで、その先鋭手的なスタイルを世界に示すことになっていたと思う。かっこよいか、かっこよくないかというと、激烈にかっこいい演奏をしていることは保証されてしかるべきだと思う。勢いではない、訓練と鍛錬に基づく、研ぎ澄まされた演奏。仮に本作をAlbiniが手がけていたら、という妄想をせざるは得ない。もっとがさがさとしたロウなエネルギーがそのままに差し出されていたことだろう。ちなみにTortoise、Sonic Youthなど、あるいはFenneszなんかもやっている海洋生物のジャケで有名な[In the Fishtank]シリーズの第1作を手がけたのは、何を隠そうNomeansnoであることをお忘れなく。一応名盤とされているのは前作"Wrong"なので、傑作認定は避けておきます。