John Coltrane : Blue Train
ARTIST / John Coltrane
TITLE / Blue Train
LABEL / blue note
DATE / 1957
TITLE / Blue Train
LABEL / blue note
DATE / 1957
[69-71]。ジャズ名盤探訪。物憂げなジャケットも有名すぎるJohn Coltraneの1枚です。50年代後半、ハードバップ時代の名盤なのでしょう。布陣はJohn Coltrane(テナー)、Curtis Fuller(トロンボーン)、Lee Morgan(トランペット)、Kenny Drew(ピアノ)、 "Philly" Joe Jones(ドラム)、 Paul Chambers(ベース)という布陣。3管体制という華美な世界観は贅沢で、まったりとする。とろける極上の時間というやつだろうか。大人である。苦めのチョコである。ジャズ史的なことにはとんと詳しくないですが、本作はColtraneがblue noteに残した唯一のリーダー作だということです。当時彼はすでにprestigeというレーベルと2年契約していて、映像的にはエロくはないにしても、エロい音楽を展開したわけです。有名すぎる主題をもった表題曲から軽やかなM2へと流れていき、そのままそのまま。落ち着こうといわなくても、強制的に空気を落ち着かせ、埃も着地させる。Miles Davisという巨人どころでない存在のもとで、もっとも贅沢なジャズを注ぎ込んだColtraneが何のためらいもなく、何の苦難もなく、blue noteにさらりと本作を提出していったわけである。天才は、天才に引き寄せられる。そして、天才として、天才となるのだ。そしてそこにはまた、情熱だけでない才能をもった若手たちが集い、もはや収集が付かなくなるという始末。だれが掃除していくのか、この生前過ぎるほどに散らかったアンビバレンツな状況を。10代を幸福な瞬間のなかで生きたLee Morgan(参考1)の吹きっぷりったらない。M2'Moment's Notice'も代表曲ということであるが、ここで聴こえるソロリレーってのは、ヒップホップのマイクリレーよいももっと昔から(そりゃそうだ)、音楽における見えないバトンの存在を感じさせてくれるというね。スウィングし、バラードし、そしてまたスウィングする。ジャズってのは厄介なほど理知的に構成されているにもかかわらず、どこまでも感情的で、身体的であるという点では、他に類を見ない音楽形式だと思う。この考え方、適当に書いてるけど、多分「理知的」っていうところには物言いが入りそうだな。別によいけど。いわゆるジャズを聴きたければどうぞという1枚みたいです。だからどうぞ。