Model 500 : Classics
ARTIST / Model 500
TITLE / Classics
LABEL / r & s
DATE /1993
TITLE / Classics
LABEL / r & s
DATE /1993
[62-71]。いわゆるテクノクラシック。ベルギーの名門テクノr&sが残した重要作のひとつですが、結構長い間廃盤だったのか、中古屋でも高額商品でした。海賊盤まで出たとかいう話。それが2008年に、レーベルが重要作何枚かをリマスタしてリイシューしたことによって、かなり手が入りやすくなりました。あまりにもレトロフューチャーなジャケが強烈に脳みそに刻まれるんだけど、音楽自体は、とてもシンプルなシンセとリズムマシーン使いで、さすがという感じ。Model 500といわれてもよく分からない人はいないと思いますが、一応補足すると、当時のModel 500はテクノ第一世代で、テクノオブテクノであるJuan Atkinsのソロプロジェクト。当時の、というのは2008年以降、Juan Atkins、Mike Banks、DJ Skurge、Mark Taylorという強烈なメンツからなるユニットになっているんだとか。ほうほう。自らクラシックとなずけた本作は、Model 500が1985年から1990年にリリースしたもの。そのクオリティがこれってんだから、やってらんない。えらいもんである。Cybotron(参考1)による80年代初頭のアプローチってのは、まだやっぱりチープだったといわざる得ないもので、もはや80年代後半において、テクノは現在の形としてまざまざと浮かび上がったといえるのであった。ストリームのなかで何度も何度も参照されるとぐろを巻くようなエレクトロは力強い。魅力がある。身体が直接的に反応するってやつだ。古典は常に最先端でリバイバルされ続け、その名前は残り続ける。音源の寄せ集め、ただのトラック集といえば、本作1枚の価値はないかもしれないけれど、収録されている曲たちが黒々と輝いているのである。素晴らしいトラックたち、そして見事に完成された感性である。構築されたものが、今は再生産されているだけということをまざまざと突きつけられる。現象は、1人の天才から生まれ、そこでもはや完結しているという。ふぇえええええ。M7の'Ocean To Oceaan'超絶にかっけーよ。聴けよ。さて、本作がリイシューされたとき、並んでリイシューされたのがAphex Twinの初期の諸作である。つまり、脱線となるが、Richardの立ち位置ってのは、テクノのオリジネーターに肩を並べているってことだ。すごいねぇ。