µ-Ziq : Royal Astronomy
ARTIST / µ-Ziq
TITLE / Royal Astronomy
LABEL / hut
DATE / 1999
TITLE / Royal Astronomy
LABEL / hut
DATE / 1999
2152。そしてどういう迷走か知らないけれど、極上のビートを放棄して、なぜかストリングスを全面に導入して勝負しようとしたParadinasさん。最初聴いたときは、なんでそんなことになるん、もう1枚ぐらい飽きずにビート遊びへと興じてくれても良いのにとショックを受けたものです。Gang Starrをサンプリングしたりとようわからん。いや分かるんだけどね、Paradinasさんの僕のなかでの定位が揺らぐという意味で。ストリングス自体はなかなかキャッチーでよく響かないわけでもないわけでもないけど。但し外は雨で、ストリングの音色もことなく乾くし、僕の感情自体もどことなくわびしい感じとなる。M8M14ではKazumi Katoなる女性シンガーによるボーカルを採用!いよいよわけが分からなくなってきた。もしかしたらAphex Twinの'Girl/Boy Song 'なんかに素直すぎる影響を受けているとかそういうことだろうか。一応申し訳程度にドラムンを敷いていたりもするんだけど、とても一定で、とても退屈です。これを聴きやすいからどうぞ、とすすめるぐらいなら、もっと聴きやすくて素敵な音楽はあるわけで、そこまでしてμ-Ziqの音楽を享受する必要はありません。彼は彼なりの達成があるわえだから、興味があるならそちらをキチンと脳内に格納しなきゃ嘘です。それはもう、ときめきも何もない嘘だと思う。実はM6のようにストリングを欠如した曲もあって、それは以外とハードコアな責め方をしていて、時代にとらわれないかっこよさがあったりもする。それでも本作に希望を見出すとすれば、一流の映画音楽家にだってその気があれば挑戦できるだろう、プロダクト・ミュージックだって作れるだろう、といったあまねく広さを携えているかのように感じるポップス感覚だろうか。それ確認したら、投げ捨てろ。