Theo Parrish : American Intelligence

ARTIST / Theo Parrish
TITLE / American Intelligence
LABEL / sound signature
DATE / 2014

2278。以前紹介した盤"Parallel Dimensions"。2014年はいわゆるテクノ界隈でビッグリリースが相次いだわけだけど、現役デトロイトのトップランナーの一人であるTheo Parrishも素晴らしいタイトルと、自画像ライクなジャケを掲げた意気込みで持って本作を示した。フル盤としてはおそらく4thあたり。しかも2枚組。LPにしたら3枚組みだという。大作です。しかも、もちろんですが、1曲1曲が長尺でもって攻めて来る構成なわけで、そのトータルで120分超えですよ。おなかいっぱいですよ。おなかいっぱい丸ですよ。周期的に、というか電気的に、皆が本気になったのだろうか。シカゴ、デトロイト、そして最近ではロンドンへ、つまりクラブカルチャーの中心都市への敬意を忘れない。アフロ・ビートを意識させつつも、つねに革新を求められる現役世代ですから、常にシーンには敏感である必要があるわけで、2枚目のラストを飾る先行曲'Footwook'は、その辺をキチンと掬い上げているのだろう。まさに複雑なダンスが目に浮かぶような、足がばたついているような、そんな刻み方である。11分を超える大曲ですよ。それだけかけてじりじりと昇天を目指すんですから、スローセックスですよねぇ。結局いけなかったけれど、2014年にはきちんと来日もしてくれて、そのじらすプレイを早漏な日本人へと披露してくれたに違いありません。とかなんとか言いながら、申し添えるならば、過去盤はもうちっとラグジュアリーで豊潤で過密な音場を感じたんだけど、今回はそこまでは行かない。単純に長すぎて聴きとおせないという、良く有る弊害もあるだろうけど。わりとスカスカな曲も多いです。んー、現在のトレンドを押さえたってことで理解すればよいのかな。