Theo Parrish : Sound Signature Sounds Vol. 2
ARTIST / Theo Parrish
TITLE / Sound Signature Sounds Vol. 2
LABEL / sound signature
DATE / 2012
TITLE / Sound Signature Sounds Vol. 2
LABEL / sound signature
DATE / 2012
2314。以前紹介した盤"Sound Sculptures Vol.1"。Prrishを中心とするユニットThe Rotating Assemblyのシンプルながらエキゾチックな祝祭性を感じるM1から幕を明ける本作は、12年前にVol.1がリリースされて以来のsound signatureの90年代後期から2005頃にかけてのレアトラック見本市である。といっても、Vol.1同様、ほぼ全ての音源がTheo Parrishによるものだが。ほとんどフル盤に近いが、2次使用のお蔵だしってことで、普段彼の数少ないヴァイナルを買い漁うような人でなければ、本作はベスト盤といえるような彩を持つだろう。M2ではDweleことAndwele Gardnerをすえた16分を超える曲を展開したり、M3ではThe Rotating AssemblyのJohn DouglasとTrent Mitchellの両名を取り上げている。それ以降は、みっちりとTheo Parrishのワンワークという流れ。M4は未発表曲。この間、アメリカを取り巻く環境は激変した。アメリカ同時多発テロを受けて制作したというM8ではおそらく当時のテレビやらラジオやらの音源をサンプリングし、そこにGayの'Inner City Blues'を混ぜ合わせた12分にわたるサウンド・コラージュをぶち上げている。そんな、割と共感型な振る舞いのもとで、音楽と社会的メッセージをもみくちゃにしてしまうところも、カリスマプロデューサーには必要になってくるのかもしれません。M5ではMoodymannことKenny Dixon Jr.らとのユニット3 Chairsの音源も披露しているとあっちゃ聞かないわけには行かないけど、そこはストイックなフロア・マスターの音の彫刻であるゆえに、山なしオチなし意味ありという、なんだかよくわからない事態に陥っています。極端に抑制され、永遠かと思うほど退屈に反復するトラック。チルしても仕切れないこの気持ちを抱えて僕たちは風呂に入るのである。