Sonic Youth : Made In USA

ARTIST / Sonic Youth
TITLE / Made In USA
LABEL / rhino
DATE /1995

2364。1987年発表のKen Friedmanという監督による同名映画のために作られたオリジナルサントラ。1986年、"Evol"と同時期に録音されている。しかし本作はリリースされることはなく、お蔵入りとなり、その後10年の時を経てリリースされるに至ったといういわくつきの1枚。サントラらしくほぼボーカルレスで、雰囲気重視の短いトラックが並んで、1分程度でフェードアウトしていく。無茶をすることもなく、割としっかりと演奏されているが、その端々にSonic Youthによる身振りが刻まれている。不穏さをまとったギターは、ノイジーな全体のなかでいつだって澄み渡ってるし、アヴァンギャルに仕上がるダルダルなチューニングも、しっかりとまとめ上げられてキャッチーすら感じさせるし、いつだってクールな雰囲気をやめることはない。とはいえ、このふり幅がSonic Youthそのものと一致しているサントラが、映画音楽として役目を果たすことができたのかは不明だ。ときたま何とかひねり出したフォーキーな仕上がりを持つギターの小曲などがほほえましい。ある程度、音響重視の広がりある曲もあり、緊張感を決してダルダルにすることのないバンド自身の見本市のような仕上がりとなっている。ただ、それぞれの曲が短く、フェードアウトするというダサさもあって、なんだか物足りない印象を受けるのも事実。彼らの贅沢な、あるいはひねり出されるアイディアに敬服するためにあるような1枚だと思う。雰囲気を楽しむにも中折れ感が強い。