Hella : There's No 666 In Outer Space
ARTIST / Hella
TITLE / There's No 666 In Outer Space
LABEL / ipecac
DATE / 2007
TITLE / There's No 666 In Outer Space
LABEL / ipecac
DATE / 2007
2374。以前紹介した盤"Hold Your Horse Is"。もはや学生時代の思い出回収を続けているだけの過疎った備忘録に成り下がっているけれど、気にしない。ということでHella。実は関連盤も含めれば4枚目になる程度には紹介している。彼ら単独の盤としては5thあたりに当たる(どうも位置づけとしては4thらしい)。当初はSpencer Seim(ギター)とZach Hill(ドラム)というデュオ編成で、がちゃがちゃと高速演奏をするという触れ込みで話題になったわけだけれど、本作では、その彼らの美学を放棄し、 Josh Hill(ギター)、Carson McWhirter(ベース)、Aaron Ross(ボーカル)という3人を組み込んで、なんとも平凡な編成をとった模様。うまくいったか行かずかしらないが、本作でその試みは終わっているのだが。レーベルはMelvinsやTomahawk、Unsaneといったゴリゴリ硬派なバンドをリリースするipecacから。時代はまさにMars Volta全盛期って感じで、彼らとツアーをまわったこともあるらしいHellaとしてはなんとかそのパイにありつこうとした結果なのかもしれません。唯一無二のドラムとそれに合わせて畳みかけられるギターのフレージングは、デュオのやり口を消し去ることはしていませんが、どことなくセクシーなボーカルによって、サイケデリックなメジャー感が相まって、二番煎じという臭いが強くなってしまったかもしれません。それも愛嬌としてとらえるならば、割とカロリーも高くて面白い1枚ではあるのです。そして勝負をして、たぶんきっと負けてしまったのでしょう。過酷な運命です。今、Hellaといってもたぶん通用しないし、これが10年後、20年後に再評価されるとしても、それはThis Heatやなんかそんな感じに似たリバイバルになればよいほうで、きっと物理メディアに封入されたまま、ごみ箱に葬りされるのではないでしょうか。それはそれでくそったれだと思うのは、ぼくたちの世代の運命であり、それが思い出なのだと思います。