Polvo : Shapes
ARTIST / Polvo
TITLE / Shapes
LABEL / touch & go
DATE /1997
TITLE / Shapes
LABEL / touch & go
DATE /1997
2373。以前紹介した盤"Today's Active Lifestyles"。ノースカロライナで結成された。ほとんど日本では騒がれることなかったんではないかというぐらい誰も知らないバンドだけれど、わりと素敵なバンド第5位くらいにはランクインできる。1990年に結成され1998年に解散。その後、00年代のオルタナ系バンド再結成ブームに乗ってか乗らずか、2008年に再結成し、しばらく活動した模様。本作のころのメンバーは Dave Brylawski(ギター、ボーカル)、Ash Bowie(ギター、ボーカル)、Steve Popson(ベース)、そして Eddie Watkinsに代わって加入したBrian Walsby(ドラム)。オリメンだったWatkinsは2016年4月にこの世を去ったという。そういう時代だ。本作はそんな彼らの4thにして、解散前最後の1枚。かつて紹介した盤はもっとストイックでゴリゴリとしていた印象だが、本作ではおちゃらけた90年代後半のオルタナブーム終焉期にふさわしく、退屈なポップさをもっていて、インドにかぶれたBrylawskiさんの影響か、随所にインド的旋律が込められ、ずしんと重いサウンドというよりも、サイケデリックに響かせる演奏手法へと変わっていた。ジャケも確かにそんな感じがする。M1の落ち着いたテンションのなかで現れる緩急なんて美しいんですけどね。ギターのフレージングもこのころから顕在化し始めるマスっぽいアプローチを先取りしている。Polvoとはそういうバンドだったはずなのだが。ただ全体としてとらえた場合、単純な剛腕とストイックさに安住することなく、より広範な興味でもって音を広げたところは、結果的に成果が得られなかったにせよ、惜しいバンドだったとは思うわけです。録音はRobert Weston。楽器を貸してくれてありがとう、ってことでSlintの録音を担当したBrian PaulsonとSteve Albiniらの名前もある。そういう関係のなかでPolvoの音は作られたという話。